茨城名産・ほしいもを食べたい！でも、セシウムは大丈夫？～サツマイモと干し芋の放射能検出状況まとめ～

冬といえば、「こたつでミカン」がポピュラーですが、
元・茨城県民としては、「ストーブで干し芋」です！
ストーブやトースターで温めると、更に美味しくなる干し芋´∀｀
…茨城では欠かせない食べ物でした。

見かけは地味だけど、あとひく美味しさ♪
Wikipediaより転載

ところが、原発事故による食品の放射能汚染が気がかりで、
昨年は殆ど食べませんでした；；
茨城に帰省した際に勧められて、味見程度に食べただけ。
今年こそは心配せずに食べたい！
…干し芋に関する情報を集めてみました＾＾/

１．まずは、干し芋の製造方法をおさらい

茨城で採れた（セシウムが入っているかもしれない）サツマイモを、
（放射能汚染された）茨城の屋外で干す
…原材料・製法の両方で、放射能汚染のリスクが高そうな干し芋；；

とはいえ、実は、屋外で干しているとは限りません。
すだれ等に載せて、屋外で寒風にさらして作るのは、昔ながらのやり方。
近年は、ビニールハウス内で干す、工場内の機械で乾燥させる、
といった製法が増えているようです。

ほしいも学校　「干し芋ができるまで。」
http://www.hoshiimogakko.com/hosiimo_process.html

伝統的な天日干しの風景
「ほしいも対策協議会」HPより転載

ビニールハウス内で干しています＾＾
「ほしいも学校」HPより転載

加えて、茨城県の生産者組合では、
原材料および製品の放射能検査を行っています。

茨城ほしいも対策協議会　安全なほしいもへの取り組み
http://www.hoshiimo.org/

また、天日干しによる乾燥工程においては、
地表に稲わらやブルーシートを敷くように指導しているとのこと。

原料「不検出」乾燥後も検査へ　干し芋農家団体（茨城新聞；2011/11/4）
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13203317542248

天日干しであっても、放射能汚染防止策を講じていることが分かりました＾＾

２．サツマイモの放射能検出状況

概して根菜類はセシウムを蓄積しやすいのですが、
サツマイモも例外ではありませんでした。
福島県産だけでなく、茨城県・千葉県産からもセシウムが検出されていました；；

数ベクレル-17ベクレル/kgと幅はありますが、数検体どころではありません。

詳細は別記事に掲載　→　☆

同じ関東地方とはいえ、放射線量は様々
…産地・生産者・放射能検査の有無など、詳細が分からない場合、
サツマイモには多少のセシウムが含まれていると考えたほうが良さそうです；；

３．干し芋の放射能検出状況

厚労省「食品中の放射性物質の検査結果について」で発表された、
干し芋の放射能検出状況をまとめてみました。

千葉県産：不検出　（第364報）　No.387
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000027uz3.html
　＊検出限界値がセシウム134と137を合算で20ベクレル/kg

茨城県産：9ベクレル/kg検出　第413報　No.328
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002d1qn.html
　＊製造所は静岡県

茨城県産：6.2ベクレル/kg検出　第434報　No.574
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002ff34.html

茨城県産：5.7ベクレル/kg検出　第512報　No.1009
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002nhql.html
　＊製造所は静岡県

厚労省の発表では、いずれも茨城県もしくは千葉県産のサツマイモが原材料。

サツマイモからセシウムが検出されているので、当然の結果とも言えます。

ちなみに、前掲の「茨城ほしいも対策協議会」でも放射能検査を行っています。
結果は、原材料・製品ともに「不検出」ですが、
検出限界値は核種ごとに10ベクレル/kgです。

セシウム134と137を合算すると、20ベクレル/kgになるので、
「セシウムフリー（0ベクレル）」というよりは、
「20ベクレル/kg以上の汚染はない」と考えたほうが良さそうです。

茨城ほしいも対策協議会　安全なほしいもへの取り組み
http://www.hoshiimo.org/

以上の結果から見えてくるのは、

・干し椎茸・干し柿のような、酷い放射能汚染は見つかっていない。

・茨城県産サツマイモを使った製品では、セシウムが検出されるケースもある。

・千葉県産・茨城県産サツマイモでも、不検出のケースもあるが、
検出限界値が緩いだけなのかもしれない
（セシウム134・137の合算で20ベクレル/kgなど）

・茨城県外の製造メーカーであっても、原材料が茨城県産というケースもある。

少しでも疑わしいものは摂りたくないという
ベクレルフリーな食生活を目指す方は、
原材料産地を確認した上で、干し芋を購入したほうが良さそうです。

４．関東地方以外の干し芋

産地を選ぶといっても、
JAや郵便局の産直品は茨城県産ばかり。
…なにせ、シェアは茨城県が87.7％でダントツ1位。
2位は8％で静岡県、西日本産はわずか4％弱；；